心から感謝し、次へと向かう

昨年3月。スタジオをカルチャー教室に譲渡し、羽鳥塾の活動を終了した。
俳優を育て、作品を作り上げていくという理念の下、2004年にシアタープロジェクト羽鳥を設立し、俳優の育成・指導にあたった羽鳥塾の11年間に終止符を打ったのである。重い決断だった。

11年…。この間、オリジナルミュージカル作品を4度上演できたのは、私たちを信じ、ついてきてくれた俳優さん達のおかげである。皆との信頼関係の上に築かせて頂いた金字塔…。感謝してもしきれない。

思えば私は幸運であった。生存率が極めて低い演劇の世界で、この年齢(60歳)まで生きてくることが出来た。これは私の力などでは決してない。出会った周りの人々が、私を演劇界で生き延びさせてくれ、成長させてくれた。

劇団時代然り、独立してからも然り。すべて出会った皆さんによって、私は支えられていた。それに応えようとした演劇生活39年だったも言える。嘘偽りなく、出会ったすべての方々に心から感謝!

ご縁があり、5年ほど前より大阪音楽大学で学生の指導に当たらせて頂いている。現在、彼の地でのワークショップや講演の依頼も多く頂くようになった。これも幸運なことである。

今、私には、これまで学んだこと、得たことを、必要としている人のために伝えたいという思いがある。羽鳥塾は解散したが、シアタープロジェクト羽鳥は存続する。残りの人生、演劇界で私ができることは何なのか…? 次の10年はもう始まっている。

2016年01月11日